はじまりは偶然の出会いから

Ecogenie と Cube の誕生は 2015 年に遡る。

2015 年、 NextDrive は初代 Cube を携え、台湾貿易センター(TAITRA)主催の台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX TAIPEI)に出展していた。このとき、NextDrive Japan 副社長の慶野文敏 (当時は Internet Initiative Japan Inc=IIJでホームエネルギーマネジメントソリューションの開発を担当) は、将来エネルギーIoTのゲートウェイとなり得る潜在力を持った商品を探しに台湾を訪れていたところだった。

初代 Cubeのデザインとテクノロジーに惚れ込んだ慶野は、その場でスーツケース片手にNextDrive 創業者の顏哲淵と熱い議論を交わし、Cubeを数個購入すると、日本に持ち帰ってじっくり分析することにした。その2カ月後、慶野の推薦により、日本の大手プロバイダ IIJ は NextDrive と事業提携を行い、日本のエネルギー転換事情に特化したホームエネルギーマネジメントシステム Ecogenieの開発を決定した。こうして、家庭から始まるエネルギー転換の旅はその第一歩を歩み出したのだった。


0.5 度へのこだわり、世界最小に挑む次世代 HEMS (Home Energy Management System)

デザインに着手した当初は、日本の家庭の美的センスに馴染むよう、 Cube をコンセントに挿したときの一体感を高めることに取り組んだ。デザインは極力無駄をそぎ落とし、 Cube を 5 センチ四方の白い立方体に凝縮させる方向で進めた。しかし、正立方体でツヤあり・垂直の外部構造は離型が非常に難しいことから、生産工場は各辺を内側に 0.5 度ずつ傾斜させることを強く提案してきた。それでも NextDrive は、「四辺が垂直でないデザインは Cube とは呼べない」というこだわりから、さらに半年の研究・改良を重ね、ついに 0.5 度の挑戦をクリアした。そのものづくり精神と、社会のイノベーション奨励の機運に支えられ、 Cubeは 2017 年及び 2018 年のグッドデザイン賞を受賞するに至った。

無線接続技術、初期費用をわずか 10% に抑える HEMS

Ecogenie は Wi-Sun と ECHONET Lite でスマートメーター及びスマート家電とつながる。他社の HEMS 製品が購入費用と工事費合わせて数十万円かかるのに対し、Ecogenie は購入費用わずか 1万6000円、設置もスマートフォンで接続設定をするだけで完了する。シンプルで直感的な操作性と、すぐに設置できる簡便性が受け入れられ、NextDrive はHEMS サービスプロバイダとして、日本の大手電力会社との業務提携を拡大していった。

蓄電池と太陽光発電関連情報

日本ではエネルギー転換が進むにつれ、再生可能エネルギー発電施設の割合が徐々に高まっており、太陽光発電設備と蓄電池は、いまや次世代住宅のインフラの一つとなっている。Ecogenie の蓄電池と太陽光発電設備なら、スマートフォンを開くだけで太陽光発電量や売電価格がひと目で分かり、蓄電池の充電・放電時間を設定することができる。また、スマートメーターと接続させることで、電気使用量、発電量、蓄電容量、売電価格などの情報をスマートフォンで見ることもできる。

家庭から始まるエネルギー改革

将来、国家レベルの電力使用とその管理は、再生可能エネルギーの進化や電動モビリティの発展に伴い、より正確且つリアルタイムなデータを利用し、電力の需要と供給の変化を予測することが求められるようになってくる。だが、現在の電力網には電力を集めたり分散したりすることが可能な端末装置が欠けている。これが、Ecogenie HEMS開発の原動力となった。

Ecogenie は工事不要且つ無線接続という特徴を持つことから、HEMS 設置の時間及びコストの大幅削減が可能になり、また、各家庭への普及も現実的になった。

各家庭の電気使用状況を把握し、冷房、照明、蓄電池のコントロールをすることで、電力会社は地域ごとのエネルギーマネジメントシステムを確立し、より良い電力需給調整が可能になる。また、 Ecogenie を利用することで、より柔軟なエネルギー調整「自動電力需要対応」サービスが可能になり、電力の効果的な活用というビジョンも達成できる。